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機械式駐車場は本当に大雨に弱い?浸水リスク、トラブル事例、命を守る具体的な対策

近年、ゲリラ豪雨や大型台風が頻繁に発生し、機械式駐車場における浸水トラブルが増加しています。特に地下や半地下に設置されることが多い機械式駐車場は、一度浸水すると設備や車両に甚大な被害をもたらします。

本記事では、機械式駐車場が抱える浸水リスクの実態を解説するとともに、過去のトラブル事例から学び、管理者と利用者がすぐに実践できる具体的な予防策と、万一の際の緊急対応マニュアルをご紹介します。

機械式駐車場が抱える「浸水」のリスクと実態

機械式駐車場は、その構造上、大雨による浸水被害のリスクが高く、近年の異常気象により、このリスクは一層高まっています。

●浸水被害のメカニズムと深刻なトラブル事例
機械式駐車場は、都市部で大量の雨が降ると、地上の排水が追いつかず、出入り口や換気口から水が流入し、設備が浸水するリスクがあります。

・過去の被害事例:
過去には、短時間の豪雨により排水ポンプが故障・停止し、駐車場が冠水。数十台の車両が水没し、億単位の損害が発生した事例もあります。また、排水溝に溜まったゴミや土砂が原因で、通常の雨量でも浸水が起き、機械設備が動かなくなるケースも発生しており、復旧費用だけでなく、責任問題に発展することも少なくありません。

●浸水を引き起こす主な原因
・浸水トラブルの大きな原因は、設備の「能力不足」と「管理不足」に集約されます。

・排水設備の不備・故障:
駐車場にとって命綱となる排水ポンプが、設置後のメンテナンスを怠ることで性能が低下したり、経年劣化で故障したりすることが、豪雨時の重大な被害に直結します。

・定期点検・清掃不足:
排水溝にゴミや落ち葉、土砂が蓄積すると、排水機能が著しく低下し、水が溜まりやすくなります。特に都市部の駐車場は詰まりやすいため、日常的な清掃と点検の徹底がリスク低減の鍵となります。

浸水・トラブルを防ぐための具体的な予防策

大雨による被害を防ぐには、「設備対策」と「利用者との連携」の両面からの備えが不可欠です。

●【設備対策】排水ポンプの整備と日常メンテナンス
浸水対策の基本は、排水ポンプを常に最高の状態に保つことです。

1.高性能ポンプの設置:
排水能力の高いポンプを設置し、定期的に動作確認(異音・振動チェック)や消耗部品の交換を実施します。

2.専門業者による点検:
雨季の前後には必ず専門業者による点検を行い、排水ポンプだけでなく、駆動部や制御装置も併せてチェックし、異常があれば即座に対応します。

3.排水溝の徹底清掃:
排水溝や側溝のゴミ・泥の蓄積がないか日常的に確認し、定期的に清掃することで、排水不良による冠水リスクを未然に防ぎます。

●【管理・利用対策】緊急時の連携ルールを策定する
緊急時に車両被害を最小限に抑えるには、管理者と利用者の迅速な連携が必要です。

・管理者:
大雨警報が発令された際は、速やかに利用者へ情報提供し、車両移動を促します。

・利用者:
管理者からの指示を遵守し、迅速な移動対応に努めます。

・事前ルール:
警報発令時の連絡方法や利用停止の基準、車両移動の協力体制を事前に明確に定め、周知徹底することが重要です。

浸水が発生した際の緊急対応と費用対策

万が一浸水が発生してしまった場合の、落ち着いた対応手順と、復旧にかかる費用や保険についての備えを紹介します。

●緊急時の対応手順と注意点
1.専門業者への連絡:
すぐに機械式駐車場の専門業者に連絡し、現場の状況を伝えて迅速な対処を依頼します。

2.利用者への説明と安全確保:
状況を利用者に説明し、安全確保を最優先に行動を促します。

3.二次被害の防止:
無理な車両の移動や、感電の危険がある設備への接触は絶対に避けてください。焦らず冷静な行動が、被害拡大を防ぎます。

●浸水後の復旧費用と保険の確認
浸水後の復旧は、設備の清掃、修理、部品交換などが必要となり、大規模な被害では数百万円単位の費用が発生することもあります。早期に対応することで費用拡大を防ぐことが可能です。

・保険の確認ポイント:
ご自身の火災保険や損害保険に水災特約が含まれているかを確認しましょう。補償内容や範囲を事前に把握し、万が一に備えて保険会社への連絡体制や必要書類を準備しておくことが重要です。

予期せぬ大雨対策に、しっかりメンテナンスしてくれる施工会社に依頼しましょう。

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