機械式駐車場はやめとけと言われる理由
はじめに:「機械式駐車場はやめとけ」という声は本当なのか?
マンションを探していると、
「機械式駐車場はやめた方がいい」
「平置き駐車場があるマンションを選んだ方がいい」
「住んでから機械式駐車場で後悔した」
といった意見を目にすることがあります。
確かに、ボタンを押せば車が上下左右に動き、限られたスペースに何台もの車を収容できる機械式駐車場は便利な設備です。
特に土地の価格が高い都市部では、すべての車を平面駐車場に停めようとすれば、非常に広い敷地が必要になります。
そこで車を立体的に格納することで、マンションの敷地を効率よく利用できるようにしたのが機械式駐車場です。
国土交通省が維持管理指針を策定した2018年時点では、全国で約26万基の機械式駐車設備が稼働しているとされていました。決して珍しい設備ではなく、日本の都市住宅を支えてきた重要なインフラの一つです。(国土交通省)
では、なぜこれほど普及している設備に対して、
「機械式駐車場はやめとけ」
と言われるのでしょうか。
その理由は、機械式駐車場に重大な欠陥があるからという単純な話ではありません。
問題になるのは、
「平面駐車場なら意識しなくてよい制約が、日常生活のさまざまな場面で発生する」
ことです。
出庫するまで待たなければならない。
停められる車に制限がある。
停電すると動かない。
修繕費がかかる。
子どもを連れている場合は特に安全確認が必要。
そしてマンションが古くなれば、駐車設備そのものも老朽化していきます。
こうした特徴を知らず、
「マンションに駐車場があるから大丈夫」
という感覚だけで物件を選んでしまうと、入居後に「こんなはずではなかった」と感じることがあります。
本コラムでは、なぜ機械式駐車場が「やめとけ」と言われるのか、その代表的な理由を8つに分けて詳しく解説します。
その上で、
「本当に避けた方がいい人」
「むしろ問題なく使える人」
「マンション購入・契約前に確認しておくべきポイント」
まで整理していきます。
第1章:「やめとけ」と言われる最大の理由――とにかく入出庫に時間がかかる
1.1 平面駐車場との最大の違いは「すぐに出発できない」こと
機械式駐車場を初めて利用する人が最もストレスを感じやすいのが、
車を出すまでの待ち時間
です。
平面駐車場なら、
車に乗る
↓
エンジンをかける
↓
そのまま出発する
だけです。
ところが機械式駐車場の場合は違います。
操作盤まで行く。
安全を確認する。
鍵やカードなどで操作する。
パレットを移動させる。
自分の車が出てくるのを待つ。
車に乗る。
駐車場から出る。
設備の種類によっては、これだけの工程が必要になります。
1回だけなら、それほど大きな問題ではないでしょう。
しかし通勤で毎朝使う場合は、この「数分」が毎日発生します。
例えば1回3分余計にかかるとしても、
往復で6分。
月20日利用すれば120分。
年間ならかなりの時間になります。
もちろん実際の待ち時間は設備の種類や自分の車が格納されている位置などによって大きく変わるため、一律には言えません。
問題は時間そのものよりも、
「自分のタイミングだけでは出発できない」
ことです。
1.2 朝の出庫が重なると「順番待ち」が発生する
さらに厄介なのが、他の住民と利用時間が重なった場合です。
例えば平日の午前7時30分。
会社へ行く人。
子どもを学校や保育園へ送る人。
家族を駅まで送る人。
複数の住民が同じ時間帯に車を出そうとします。
しかし一つの機械を複数人が同時に操作することはできません。
前の人の車を出す。
その人が退出する。
機械を戻す。
次の車を呼び出す。
という処理が必要になります。
「家を予定通り出たのに、駐車場で10分近く待つことになった」
ということも十分考えられます。
このサイト内でも、機械式駐車場を平面化するメリットとして、入出庫時の順番待ちがなくなることが挙げられています。(機械式駐車場の平面化が増えている背景とメリット・デメリット)
数分程度なら気にならない人もいるでしょう。
一方、
毎日車通勤する。
子どもの送迎時間が決まっている。
仕事で車を頻繁に出し入れする。
こうした人にとって、この時間的制約は想像以上に大きなストレスになる可能性があります。
第2章:雨・暑さ・寒さでも「操作して待つ」必要がある
機械式駐車場の不便さは、晴れた日の内覧だけでは気づきにくいものです。
実際の生活を想像するなら、
真夏。
真冬。
強風。
大雨。
こうした状況まで考える必要があります。
屋外型の機械式駐車場なら、雨の日でも操作盤の前へ行かなければなりません。
傘を差しながら操作する。
荷物を持っている。
子どもも一緒にいる。
その状態で車が出てくるまで待つ。
買い物から帰ってきたときも同じです。
大量の買い物袋を抱え、
子どもを降ろし、
必要であれば荷物を先に下ろし、
安全を確認してから車を格納する。
平面駐車場なら、
「車から降りて家へ入る」
だけで済んでいた行動に、いくつもの工程が加わります。
この差はカタログには書かれにくい部分です。
設備のスペックを見るだけでなく、
雨の日に自分が実際にここを使う姿
を想像することが、機械式駐車場付きマンションを選ぶ際には重要です。
第3章:好きな車を買えない――「車両制限」という大きな壁

3.1 「空いている駐車場=どんな車でも停められる」ではない
機械式駐車場には必ず収容可能な車両寸法・重量があります。
代表的なのは、
全長。
全幅。
全高。
車両重量。
タイヤ外幅。
最低地上高。
などです。
特に古いマンションで問題になりやすいのが「高さ」です。
機械式駐車場情報サイトの既存記事でも、従来型では車高1,550mm程度を上限とする設備が多かった一方、現在はミニバンやSUVなど背の高い車が増えていることが、空き区画増加の一因として紹介されています。(機械式駐車場の平面化が増えている背景とメリット・デメリット)
車高1,550mmという制限は、現在の車選びではかなり大きな条件になります。
セダンなら入る。
しかしSUVは入らない。
ミニバンも入らない。
ハイルーフ軽自動車も入らない。
ということがあります。
3.2 今の車が入っても「次の車」が入るとは限らない
ここで重要なのが、
現在所有している車だけで判断しない
ということです。
例えばマンションを購入した時点ではコンパクトカーに乗っていたとします。
5年後、子どもが生まれます。
ミニバンへ乗り換えたい。
しかしマンションの駐車場は高さ1,550mmまで。
すると、
車を諦める。
マンション外の駐車場を借りる。
空きがなければ遠くの月極駐車場を探す。
という問題が発生します。
マンションは10年、20年、30年と住む可能性があります。
その期間、自動車を一度も買い替えない人の方が少ないでしょう。
つまり確認すべきなのは、
「今の車が入るか」
ではなく、
「将来自分が選びそうな車まで入るのか」
なのです。
3.3 EVでは重量にも注意が必要
EVの普及によって、さらに重要になってきているのが重量制限です。
EVは床下などに大型の駆動用バッテリーを搭載するため、同程度のサイズのエンジン車より重くなる車種があります。
見た目は入る。
全幅も全高も大丈夫。
ところが重量オーバー。
というケースも考えられます。
今後EVへ乗り換える可能性があるなら、
「EV充電器があるか」
だけを見るのではなく、
そもそもそのEVをパレットに載せられるのか
まで確認する必要があります。
第4章:故障・停電すると「自分の車なのに出せない」
4.1 機械式駐車場は巨大な電気機械
機械式駐車場は、
鉄骨。
モーター。
チェーン。
ワイヤー。
センサー。
制御盤。
安全装置。
などから構成される機械設備です。
当然ながら、電気がなければ動きません。
平面駐車場で停電が発生しても、自動車そのものが正常なら出庫できます。
しかし機械式駐車場では、車が地下や上段に格納されている場合、設備を動かせなければ車を取り出せません。
つまり、
「車は故障していないのに、駐車場が動かないため乗れない」
ということがあります。
4.2 故障は「待てばいい」では済まない場合もある
普段の買い物なら、
「今日は車を諦めよう」
で済むかもしれません。
しかし、
翌朝仕事で車が必要。
子どもを送らなければならない。
空港へ向かう。
家族を病院へ連れて行く。
旅行へ出発する。
そんなタイミングで故障したらどうでしょうか。
機械式駐車場に依存している生活では、駐車設備そのものが「移動の入口」になります。
車が正常でも、その入口が開かなければ使えません。
ここが平面駐車場との大きな違いです。
第5章:地震・豪雨など災害時には弱点がさらに目立つ
機械式駐車場は平常時には便利な設備ですが、災害時には電気と機械に依存していることが弱点になります。
地震。
停電。
浸水。
落雷。
こうした状況では、安全装置が働いて設備が停止したり、保守会社による確認が終わるまで使用できなくなったりする可能性があります。
「大地震が来たら、とりあえず車で避難しよう」
と思っていたとしても、
車が機械式駐車場から出てこない可能性がある
ということです。
これは機械式駐車場だから危険という意味ではありません。
むしろ異常時に勝手に動き続けないよう、安全のために停止する設備です。
しかし利用者側から見ると、
「非常時にも必ず車を使える」
という前提を置けないことは理解しておく必要があります。
特に地下ピットを持つタイプでは、大雨や浸水への対策も重要になります。
このサイトでも既に、大雨時の地下ピット型では浸水や電気設備への影響が発生する可能性について解説しています。(【緊急警告】機械式駐車場×ゲリラ豪雨の死角)
日常的にはほとんど意識しない問題ですが、マンションを選ぶ場合には、
ハザードマップ。
地下ピットの有無。
排水設備。
停電時の対応。
災害発生後の使用ルール。
なども確認しておくと安心です。
第6章:「機械だから維持費がかかる」――住民全体に関係する問題

6.1 駐車料金だけを見てはいけない
賃貸マンションであれば、
「駐車場代はいくらか」
が主な判断材料になるでしょう。
しかし分譲マンションを購入する場合は、それだけでは不十分です。
なぜなら区分所有者になれば、
機械式駐車設備の維持管理費や将来の修繕費
がマンション全体の財政に関係してくるからです。
国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」では、機械式駐車場について、一般のマンション修繕費とは別に、1台あたり月額の修繕工事費の参考値を示しています。
例えば、
2段・ピット1段昇降式:6,450円/台・月
3段・ピット2段昇降式:5,840円/台・月
3段・ピット1段昇降横行式:7,210円/台・月
4段・ピット2段昇降横行式:6,235円/台・月
エレベーター方式・垂直循環方式:4,645円/台・月
などです。
これは117件の長期修繕計画から算出された修繕工事費の参考値で、日常的な保守料金そのものではなく、個々の設備によっても大きく異なります。とはいえ、機械式駐車場が長期にわたって相応の修繕費を必要とする設備であることは分かります。
6.2 車を持っていない住民にも影響することがある
ここが分譲マンションでは重要です。
「私は車を持っていないから関係ない」
とは限りません。
駐車場会計を完全に独立させ、その使用料だけで点検・修繕費を賄っているマンションもあります。
一方、管理費会計や修繕積立金と深く関係しているマンションもあります。
国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインでも、機械式駐車場の維持管理に多額の費用が想定される場合、管理費会計や修繕積立金会計と区分して駐車場使用料会計を設ける方法が示されています。(マンション管理・再生ポータルサイト)
つまり中古マンションを買う際には、
「駐車場代○万円」
だけではなく、
駐車場の利用率。
年間の保守費。
過去の修理履歴。
今後の更新予定。
駐車場使用料をどの会計へ入れているのか。
まで確認する価値があります。
第7章:実は無視できない「安全面」の問題
7.1 巨大な機械を一般利用者が操作する設備
普段使っていると忘れがちですが、機械式駐車場は数百kgから数tある車両を載せたパレットを動かす巨大な機械装置です。
そのため、
「正しく使えば便利」
ですが、
「誤った使い方をした場合の事故が重大になりやすい」
という特徴があります。
国土交通省は機械式立体駐車場での事故を受け、安全対策ガイドラインや手引きを策定しています。
2016年に手引きが公表された時点では、2007年度以降、利用者等の死亡・重傷事故が少なくとも32件、そのうち12件が死亡事故だったとされています。(国土交通省)
現在も国土交通省は機械式立体駐車場の重大事故情報を公開しています。(国土交通省)
これは、
「機械式駐車場は危険だから使うな」
という話ではありません。
自動車そのものと同じで、正しい使い方と安全確認が必要な設備だということです。
7.2 特に注意したいのが子ども連れ
子どもがいる家庭では、安全確認の負担が増えます。
国土交通省も、
運転者以外は駐車場内へ入らない。
装置内に人がいないことを確認する。
操作中は装置から離れない。
子どもが駐車場内へ近づかないよう注意する。
といった利用上の注意を呼びかけています。(国土交通省)
例えば、
親が操作盤を操作している。
その間に小さな子どもが機械へ近づいていく。
兄弟が別々の方向へ動く。
大量の荷物も持っている。
雨も降っている。
こうなると、利用者が注意しなければならない対象が一気に増えます。
機械式駐車場を日常的に使う子育て家庭では、
「車を停める」という単純な行為に安全確認の工程が加わる
という点は理解しておいた方がよいでしょう。
第8章:故障しなくても「音・振動」が気になる場合がある
機械式駐車場はモーターやチェーン、ローラーなどを使用して重量物を動かします。
当然、動作時には一定の機械音が発生します。
ガタン。
ゴトン。
ウィーン。
カチャン。
こうした音です。
設備が正常であっても完全な無音ではありません。
マンションの住戸と駐車設備の距離が十分離れていれば、問題にならない場合も多いでしょう。
しかし、
1階住戸のすぐ横。
寝室の窓の近く。
建物に囲まれた中庭。
屋内駐車場に隣接する住戸。
こうした配置では、人によっては音や振動を気にする可能性があります。
特に注意したいのが早朝・深夜です。
朝5時に出勤する住民。
夜中に帰宅する住民。
機械式駐車場は住民それぞれの生活時間に合わせて使用されます。
マンション内覧を昼間だけ行うと、こうした問題にはなかなか気づきません。
機械式駐車場に近い住戸を購入する場合には、
実際に設備が動いているところを一度確認しておく
ことをおすすめします。
第9章:古くなった設備ほど「将来どうなるのか」が重要
機械式駐車場付きの中古マンションを購入する場合、現在問題なく動いていることだけを確認しても十分ではありません。
見るべきなのは、
この設備をあと何年使う予定なのか
です。
マンションが築20年、30年と経過していれば、駐車設備も同じだけ時間が経っています。
今後、
大規模修繕するのか。
部分更新するのか。
全部リニューアルするのか。
一部撤去するのか。
平面化するのか。
という選択が必要になる可能性があります。
さらに利用率が下がっていれば、
「高額な費用をかけて更新する意味があるのか」
という議論も出てきます。
これは前回のコラムで解説した、機械式駐車場の「負の遺産化」にもつながる問題です。
現在使えている設備でも、将来の修繕計画が曖昧なら要注意です。
中古マンションを購入するなら、
長期修繕計画。
総会議事録。
理事会議事録。
重要事項調査報告書。
などから、
機械式駐車場についてどのような議論が行われているのかを確認しておきたいところです。
第10章:ここまで読むと「やっぱりやめた方がいい」と思う?――機械式駐車場にも大きなメリットがある
ここまでデメリットを中心に説明してきました。
しかし、
機械式駐車場=悪い設備
という結論にするのは間違いです。
機械式駐車場がこれほど多く設置されてきたのには、当然理由があります。
最大のメリットは、
限られた土地に多くの車を収容できること
です。
都市部では、このメリットが非常に大きいのです。
もし50台分の機械式駐車場をすべて平面化したら、駐車できる台数は大幅に減ります。
その結果、
マンション内に駐車場を確保できない。
近くの月極駐車場も満車。
自宅から数百m離れた駐車場を借りる。
ということもあります。
それなら、
「多少待ってでも敷地内に車を置ける方がいい」
という人も多いでしょう。
また地下格納型などでは、格納位置によって雨や直射日光を受けにくいというメリットが生じる場合もあります。
設備の種類や位置によっては、車両へ容易に近づけないため、防犯面でメリットを感じる利用者もいます。
つまり、
機械式駐車場には明確なデメリットがありますが、
都市部で駐車スペースを確保するという目的においては、非常に合理的な設備でもある
のです。
第11章:「機械式駐車場はやめとけ」が当てはまりやすい人

ここまでを踏まえると、特に次のような人は慎重に検討した方がよいでしょう。
毎日車通勤する人
朝の数分、順番待ちの数分が毎日積み重なります。
出発時間が厳密な生活ほど影響を受けます。
1日に何度も車を出し入れする人
営業。
配送。
送迎。
買い物。
仕事。
などで頻繁に車を使う場合は、毎回の機械操作が負担になります。
大型SUV・ミニバンを好む人
現在の車が入っても、次に欲しい車が入らない可能性があります。
将来の車選びまで確認してください。
小さな子どもがいる家庭
使えないわけではありません。
しかし毎回、安全確認への注意が必要です。
車を非常時の移動手段として強く頼っている人
停電や災害時に必ず出庫できるとは限りません。
築年数の古いマンションを購入する人
駐車設備の修繕・更新計画まで含めて判断する必要があります。
第12章:逆に、機械式駐車場でもほとんど困らない人
一方、次のような人なら、機械式駐車場でもデメリットをそれほど感じない可能性があります。
週末しか車を使わない。
現在も将来も比較的小型の車を選ぶ予定。
数分程度の出庫時間は気にならない。
設備が比較的新しい。
ハイルーフ車対応。
重量制限にも余裕がある。
保守管理がしっかりしている。
駐車場利用率が高い。
マンションの長期修繕計画が適切に作られている。
こうした条件なら、
「平面駐車場ではない」
という理由だけで、気に入ったマンションを候補から外す必要はないでしょう。
重要なのは設備の種類ではなく、
自分の生活との相性です。
第13章:契約前に絶対確認したい「10項目」
最後に、マンションを買う・借りる前に確認しておきたい項目をまとめます。
1. 全高
現在だけでなく、将来乗りたい車まで考えます。
2. 全幅
大型SUVでは特に確認が必要です。
3. 全長
大型セダンやミニバンなどでは注意します。
4. 車両重量
EVや大型車を検討しているなら重要です。
5. パレット幅・タイヤ幅
カタログ上の車幅だけでは判断できない場合があります。
6. 実際の出庫時間
可能なら実際に車を出してもらいましょう。
「機械式です」という説明だけでは使用感は分かりません。
7. 朝の混雑状況
管理会社や現在の居住者などに確認できれば理想的です。
8. 駐車場の利用率
分譲マンションなら特に重要です。
空きが急速に増えている設備では、将来的な維持方針を確認します。
9. 修繕・更新計画
築年数の古い物件では、
「あと何年使う予定なのか」
「次回の大規模更新はいくらを想定しているのか」
まで確認します。
10. 災害・故障時の対応
保守会社。
緊急連絡先。
停電時。
地震後。
浸水時。
などのルールも確認しておきましょう。
ここまで確認すれば、
「機械式駐車場だから不安」
という漠然とした状態から、
「この機械式駐車場なら自分に合っている/合っていない」
という具体的な判断ができるようになります。
おわりに:「やめとけ」の本当の意味は、知らずに選ぶなということ
「機械式駐車場はやめとけ」
という言葉だけを見ると、
機械式駐車場そのものに大きな問題があり、絶対に避けるべき設備であるように感じるかもしれません。
しかし実際は、それほど単純ではありません。
都市部では、限られた土地に多くの車を収容できる機械式駐車場だからこそ、マンション内に駐車スペースを確保できているケースも数多くあります。
その一方で、
出庫に時間がかかる。
順番待ちがある。
車種が制限される。
停電すると動かない。
安全確認が必要。
維持管理費がかかる。
将来的に修繕・更新が必要。
という、平面駐車場にはない特徴もあります。
つまり、
「機械式駐車場はやめとけ」ではなく、「特徴を知らないまま機械式駐車場付きマンションを選ぶのはやめとけ」
というのが、より正確な表現ではないでしょうか。
マンション購入では、
駅から何分。
何階。
何LDK。
眺望。
設備。
管理費。
といった条件には多くの時間をかけて検討します。
しかし毎日のように車を使う人にとって、
駐車場も住戸と同じくらい生活の質を左右する設備です。
内覧した日に車が入ったから大丈夫。
空き区画があるから大丈夫。
新築だから大丈夫。
と考えるのではなく、
5年後。
10年後。
車を買い替えたとき。
子どもが増えたとき。
設備が古くなったとき。
まで少しだけ想像してみてください。
その上で、
「数分待ってでも敷地内に多くの車を停められる方がいい」
と感じるのであれば、その人にとって機械式駐車場は十分に合理的な設備です。
反対に、
「毎朝すぐ車を出したい」
「大型車を自由に選びたい」
「機械の操作をできるだけ減らしたい」
という人なら、多少物件条件を変えてでも平面駐車場を選んだ方が、長い目では満足度が高くなるかもしれません。
大切なのは、
「機械式だから良い・悪い」
と設備だけで判断することではありません。
自分の車、自分の生活、自分の将来に、その駐車場が本当に合っているか。
マンション選びの際には、ぜひ住戸だけでなく、毎日使う可能性のある駐車場まで実際に操作し、確認した上で判断してください。